Webカメラの商品ページに「AI搭載」「AI自動追尾」と書かれていても、実際に何が自動になるのかは書かれていないことがほとんどです。買ってつないでも、思っていた動きをしないことがあります。
結論:「AI」の文字ではなく「専用ソフトが要るか」で見分ける
メーカー公式ページを2026年9月5日に読み比べたところ、「AI」と書かれた機能のうち、いちばん目立つ自動追尾(自動フレーミング)は、パソコン側に専用ソフトを入れないと使えないと公式に書かれていました。つまり見るべきなのは「AI」の3文字ではなく、その機能を使う条件のほうです。
| 公式で「AI」と書かれている機能 | 何が自動になるか(公式の説明) | 専用ソフトの要否(公式の記載) |
|---|---|---|
| 自動フレーミング/自動追尾 (RightSight 4、モーショントラッキング、オートフレーム) |
人の位置に合わせて、映す範囲が自動で動く | 要る(ロジクールはLogi Tune、AnkerはAnkerWorkが必要と公式に記載) |
| 顔の画像補正 (AIベースの顔画像補正) |
顔の見え方を自動で整える | MX BrioはOptions+/G HUBで調整できると記載。Brio 500は専用ソフトの要否の記載を見つけられなかった |
| マイクのノイズ低減 (AIによる背景雑音の抑制) |
周囲の雑音を抑える | 専用ソフトが必要との記載は見つけられなかった |
| 自動露出・自動ホワイトバランス・オートフォーカス | 明るさ・色・ピントが自動で合う | 専用ソフトが必要との記載は見つけられなかった |
AIガジェット全体を「AIの処理がどこで動くか」で4つに分ける見方は、AIガジェットは4種類に分かれるにまとめています。この記事は、そのうちWebカメラという1カテゴリだけを掘ったものです。
この記事の根拠:メーカー公式ページだけを読み、実機は持っていない
- 調べたのはメーカー公式の製品ページと技術支援ページだけです(ロジクール、Anker、エレコム、バッファロー)。確認日は2026年9月5日、価格は各社公式直販の税込表示です。
- ⛔ 当社はWebカメラの実機を1台も持っていません。比べているのは公式に書いてある仕様と条件だけで、画質や使い勝手の良し悪しは比べていません。
- 公式に書かれていなかったことは「無い」ではなく「見つけられなかった」と書いています。
「AI」と書かれている機能の正体は、主に4つ
1. 自動フレーミング(自動追尾)
ロジクールは公式に「AI駆動のRightSightテクノロジーによって常に被写体がフレーム内に収まるため、自由に動き回ることができます」と説明し、Brio 500の製品ページには「RightSight 4自動フレーミングにより、ユーザーは常に画面の中央に映ることができます」とあります。Ankerも「モーショントラッキング(自動追尾機能)」「オートフレーム(自動画角調整)」を挙げています。
2. 顔の画像補正
ロジクールMX Brioは「AIによる顔ベースの画像強化」、Brio 500は「AIベースの顔画像補正」と表記しています。なお「AI」と書かない自動補正もあり、Brio 300は「RightLight 2によって不十分な照明条件が自動的に補正」、Brio 500は「RightLight 4は、環境に合わせて自動的に光を調節」と説明されています。
3. マイクのノイズ低減
MX Brioは「ノイズリダクションマイクが、AIによって背景雑音を抑制」と表記しています。音の機器を別に足すか迷っている方は個人向けスピーカーフォンの比較もどうぞ。
4. 自動露出・自動ホワイトバランス・オートフォーカス
MX Brioは「自動露出、自動ホワイトバランス、画像ノイズリダクション」を挙げ、AnkerのPowerConf C300は「AI機能により約0.35秒で被写体に自動でピント」と説明しています。ここは「AI」表記のない機種にも載っている部分で、PowerConf C200は自動フレーミングには非対応ですがオートフォーカスは搭載しています。
いちばん大事な見分け方:その機能に専用ソフトが要るか
| 買う前に確かめる3つ | どこを見るか |
|---|---|
| ☐ 専用ソフトの名前が書いてあるか | 製品ページの機能説明(例:Logi Tune、Anker Work) |
| ☐ そのソフトの対応OSに、自分のパソコンが入っているか | ソフト側の対応OS(カメラ本体の対応OSとは別に書かれています) |
| ☐ 会社のパソコンに、そのソフトを入れられるか | 勤務先のソフト導入ルール(入れられないとAI機能は使えません) |
- ロジクールBrio 500の製品ページには「この機能を利用するには、Logi Tuneのダウンロードが必要です」という注記があります。MX Brioの英語の仕様ページでも、RightSightの欄は「Yes (Only with Logi Tune)」と書かれています。
- Ankerも公式に「専用のAnker Work ソフトウェアをPCにダウンロードすると(中略)AI機能によって『モーショントラッキング』や『オートフレーム』が可能になります」と書いています。PowerConf C302はさらにファームウェア更新も必要と案内されています。
ここから言えるのは、「AI搭載」と書かれていても、そのソフトが動くパソコンにつながないと、その機能は使えないということです。だから対応OSの差が効きます。ロジクールの支援ページには「RightSight currently available only for Windows」(現時点でRightSightはWindowsのみ)という注記があり、Brio 500はChromeOS対応と書かれている一方でLogi TuneはChromeOSに対応しないと案内されています。本体がつながることと、AI機能が使えることは別です。
⛔ AIの処理がカメラ本体で動くのかは、公式ではほぼ分からない
「では処理はカメラの中で動くのか、パソコン側で動くのか」を各社の公式ページで探しましたが、ロジクールとAnkerの製品ページ・支援ページでは、それを書いた箇所を見つけられませんでした。
- ロジクールの会議室向けカメラの解説には「RightSight uses the latest in deep learning technology running on the PC」(PC上で動く)という記述がありますが、対象はMeetUpやRally系の説明で、Brio 500やMX Brioに同じ文言は見つけられませんでした。
- 今回調べた範囲では唯一、はっきり本体側と書いていたのはエレコムのUCAM-CX80FBBKで「オートズーム機能はハードウェアで搭載しているため、ドライバ等のインストールをしていないパソコンでもご使用いただけます」と明記されています。ただしこの機種は公式ページに「販売終了」と表示されているため、当社は現行品として勧めません。
したがって当社は「AIの処理はパソコン側で動く」と断定しません。読者が確実に判断できるのは「専用ソフトが必要と公式に書かれているかどうか」までです。
現行機種の公式仕様(2026年9月5日・公式直販価格)
| 型番 | 価格 | 解像度/fps | 視野角 | 公式の「AI」表記 | 専用ソフト | マイク | 対応OS |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ロジクール MX Brio | ¥33,000 | 4K/30fps、1080p/60fps | 対角90° | AIによる顔ベースの画像強化、AIによる背景雑音の抑制 | Options+/G HUBで調整(RightSightはLogi Tune) | デュアルビームフォーミング・ノイズ低減 | Win10以降/macOS 10.15以降/ChromeOS/Linux |
| ロジクール Brio 500 | ¥19,580 | 1080p/30fps、720p/60fps | 対角90/78/65° | AIベースの顔画像補正、RightSight 4自動フレーミング、RightLight 4 | Logi Tuneが必要と公式に注記 | ステレオ・ノイズ低減 | Win8以降/macOS 10.10以降/ChromeOS(Logi Tuneは非対応。RightSightは公式注記でWindowsのみ) |
| ロジクール Brio 300 | ¥10,890 | 1080p/30fps、720p/30fps | 対角70°固定・固定フォーカス | 「AI」表記なし(RightLight 2の自動光補正) | 不要(Logi Tune対応) | モノラル・ノイズ低減 | Win10以降/macOS 10.15以降/ChromeOS |
| Anker PowerConf C300 | ¥9,990 | 最大1080p・最大60fps | 78〜115° | モーショントラッキング、オートフレーム、AI色調調整、AI露出、AIオートフォーカス | AnkerWorkが必要(AI機能) | ノイズリダクション・AGC | Win7以降/Mac OS 10.1以降(公式表記のまま) |
| Anker PowerConf C302 | ¥12,980 | 最大2K/30fps | 78〜115° | モーショントラッキング、オートフレーム | AnkerWorkが必要(ファームウェア更新も案内) | 2マイク・ノイズリダクション | Win7以降/Mac OS 10.1以降 |
| Anker PowerConf C200 | ¥8,990 | 最大2560×1440・30fps | 65/78/95°切替 | AIフレーム調整は非対応(オートフォーカスあり) | AnkerWork(画角切替・画質調整) | デュアルマイク・ノイズリダクション・AGC | Win7〜11/Mac OS 10.11以降 |
| バッファロー BSW500MBK | 公式ページに価格の記載なし | 1080p/30fps | 水平約120° | 「AI」表記は見つけられなかった・固定フォーカス | 不要(YouCam6 BE付属) | マイク内蔵(ノイズ低減の記述は見つけられず) | 製品ページに記載なし |
⛔ AnkerWork C310は公式ページで「Sold Out」表示、エレコムUCAM-CX80FBBKは「販売終了」表示のため、この表には入れていません。またバッファローの現行2機種は、製品ページで「AI」「自動追尾」の語を見つけられなかっただけで、機能が無いと確認したわけではありません。
数値の読み方(公式の説明文より)
- 解像度:Ankerは「数値が高くなるほどに描写精度が高くなり、なめらかな映像になります」とし、Web会議では「HD (720p) やフルHD (1080p) が一般的」としています。
- 視野角:Ankerは「一般的なカメラは66〜75°ほどで、一人でカメラに向かうには充分」とし、複数人では画角を選べるモデルが便利としています。バッファローは水平約120°について「大人数の会議やホワイトボード…見切れることなく」と説明しています。
- フレームレート:バッファローは「30 fpsの滑らかな撮影が可能」と説明しています。60fpsが何に効くかを説明した公式の文は見つけられませんでした。
使い方別の選び方は3通り
| 使い方 | 先に見る項目 | 該当する機種と公式価格 |
|---|---|---|
| 一人で座って顔だけ映す | 解像度と光補正。自動追尾は要らない | ロジクール Brio 300(¥10,890)/Anker PowerConf C200(¥8,990) |
| 動きながら話す・立って説明する | 自動フレーミングと、その専用ソフトの対応OS | ロジクール Brio 500(¥19,580)/Anker PowerConf C302(¥12,980) |
| 複数人で1台を囲む | 視野角の広さと、画角を切り替えられるか | Anker PowerConf C300(¥9,990・78〜115°)/同 C200(65/78/95°切替) |
① 一人で顔だけ映ればいい人:AI機能は要りません
座って話すだけなら、映す範囲を自動で動かす必要がありません。この場合、当社は高い機種を勧めません。ロジクールBrio 300(¥10,890)は製品ページに「AI」の表記がなく、自動の機能として書かれているのはRightLight 2の光補正です。AnkerのPowerConf C200(¥8,990)は「AIフレーム調整機能に対応していません」と公式に書かれていますが、オートフォーカスは搭載しています。専用ソフトを入れずに使いたい人にも、この方向が合います。
② 立って動きながら話す人:自動フレーミングつきを、ソフトの条件込みで選ぶ
ロジクールBrio 500(¥19,580)はRightSight 4自動フレーミングを持ちますが、Logi Tuneのダウンロードが必要と公式に注記されています。AnkerのPowerConf C300(¥9,990)/C302(¥12,980)もAnkerWorkが必要です。⛔ 会社から支給されたパソコンでソフトを入れられない場合や、ChromeOSで使う予定の場合は、この機能を当てにしないでください。
③ 複数人で1台を囲む人:視野角を先に見る
PowerConf C300/C302は78〜115°、C200は65/78/95°の切替に対応し、バッファローBSW500MBKは水平約120°です。人数が多い使い方では、AI表記よりもまず視野角の数字を見てください。
よくある質問
「AI搭載」と書いてあれば、つないだだけで自動追尾しますか
いいえ、そうとは限りません。ロジクールBrio 500は「この機能を利用するには、Logi Tuneのダウンロードが必要です」、AnkerはAI機能について「専用のAnkerWorkソフトウェアをPCにダウンロードすると」と公式に書いています。買う前に、そのパソコンにソフトを入れられるかを確かめてください。
AIの処理はカメラの中とパソコンのどちらで動きますか
今回調べた範囲では、ロジクールとAnkerの製品ページ・支援ページでは、それを書いた箇所を見つけられませんでした。ロジクールの会議室カメラ向け解説には「PC上で動く」とありますが、Brio 500やMX Brioに同じ文言は見つけられませんでした。当社は断定できないと考えています。
ChromeOSのパソコンでもAI機能は使えますか
ロジクールBrio 500は本体がChromeOSに対応する一方、Logi TuneはChromeOSに対応しないと案内されています。カメラとして映ることと、AI機能が使えることを分けて確認してください。
値段の差は何の差ですか
公式仕様で差がつくのは、解像度とフレームレート、視野角、マイクの構成、「AI」表記の有無です。当社は実機を持っていないため、画質の良し悪しは比べていません。高いほうが自分の使い方に合う、とは限りません。
ボイスレコーダーの「AI」と同じものですか
別のものです。録音側の「AI」が何を指すかはAIボイスレコーダーの選び方で扱っています。
まとめ
- Webカメラの「AI」は主に4つ、自動フレーミング・顔の画像補正・マイクのノイズ低減・自動露出やオートフォーカスを指しています。
- 自動フレーミング(自動追尾)は、ロジクールもAnkerもパソコン側の専用ソフトが必要と公式に書いています。買う前に、そのソフトを入れられるパソコンかを確かめてください。
- AIの処理がカメラ本体で動くのかパソコン側で動くのかは、ロジクール・Ankerの公式ページでは見つけられませんでした。当社は断定しません。
- 座って一人で話すだけなら、AI機能は要りません。Brio 300やPowerConf C200のように、公式が自動フレーミングをうたっていない機種で足ります。
- この記事は2026年9月5日にメーカー公式ページを読んで書いたもので、当社は実機を持っていません。
出典(すべて2026年9月5日確認)
- ロジクール MX Brio 製品ページ/MX BRIO 仕様(英語)
- ロジクール Brio 500 製品ページ/BRIO 500 仕様(英語)
- ロジクール Brio 300 製品ページ/Brio 300 仕様(英語)
- ロジクール Webカメラ解説ページ/RightSight の解説(会議室カメラ向け)
- Anker PowerConf C300/PowerConf C302/PowerConf C200
- Anker PowerConf C300 FAQ/PowerConf C200 FAQ/Anker Webカメラの選び方解説
- エレコム UCAM-CX80FBBK 製品ページ(販売終了表示あり)
- バッファロー BSW500MBK 製品ページ/バッファロー ニュースリリース

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