文字起こしの「精度」は何で決まるか|比較記事の数字を疑う

文字起こしの精度は何で決まるかを解説する記事のアイキャッチ画像 仕事でAI活用

文字起こしアプリを比べていると、「正解率98.9%」「98.86%」のような高い数字を目にします(どちらも本記事で検証条件ごと分解する、各社公式の公表値です)。どれも高そうに見えるのに、実際は誤変換が多くて直し疲れる——という経験をした人は少なくないはずです。

この記事は、その「精度◯%」という数字そのものの中身を、公式資料だけを根拠に分解します。今使っているツールの精度を今すぐ上げたい人はAIで議事録を作る手順の対処法へ。話者の振り分け(誰が話したか)の話は本記事の範囲外です。

この記事の結論(先に5つだけ)

  1. 同じモデル・同じ日本語でも、テスト音声が違うだけで数字は2倍以上動きます。OpenAIのWhisper large-v3の日本語文字誤り率(CER)は、Common Voice 15で10.3%、FLEURSで4.9%です(OpenAI公式GitHub掲載の図より、2026年8月23日確認)。
  2. 採点のルール(正規化)を変えるだけで、数字は最大50%下がります。Whisperの論文が、データセットによっては正規化のかけ方だけでWERが最大50%下がったと明記しています。
  3. 日本語は「単語誤り率(WER)」がそのまま使えません。単語を空白で区切らない言語だからです。Whisperの論文は日本語を名指しして、実質「文字誤り率(CER)」で測っていると書いています。
  4. オートメモの98.9%とNottaの98.86%は、どちらも検証条件つきで公表されています。ただし条件が違うので、この0.04ポイント差を比べることに意味はありません。しかも両社とも、実際の精度は話し方や音の環境で変わると自分で明記しています。
  5. 当サイトは、文字起こしの精度を1件も実測していません。この記事に出てくる数字はすべて、各社・各論文が公表している数字です。誰が測った数字かを、そのつど書きます。
文字起こしの精度についての結論を1枚にまとめた図。上部の帯に「精度◯%は、測ったデータと採点ルールで変わる数字」。下に3つの分岐。1つ目、今の精度に困っている人は「対応言語と環境を先に確認する」。2つ目、比較記事の数字を見比べたい人は「測定条件(音源・環境・話者数)が書いてあるかを見る」。3つ目、少しでも精度を上げたい人は「単語登録・カスタム語彙を使う」。図の下部に、Whisper large-v3の日本語CERの実例として「Common Voice 15=10.3%」「FLEURS=4.9%」を並べ、「同じモデル・同じ言語でも、テストデータが違うだけで2倍以上違う」と注記。出典:OpenAI Whisper公式GitHub README掲載の図(2026年8月23日確認・当サイトが図から数値を抽出)。当サイト作成の図。
図1|精度の数字は「測ったデータ」と「採点ルール」で変わる(当サイト作成・出典:OpenAI Whisper公式README/2026年8月23日確認)

この記事の根拠|公式ドキュメント・公式論文・各社公式ページだけで書いています

この記事は、Microsoft・Google・AWSの音声認識の公式ドキュメント、OpenAIのWhisper論文とGitHub公式リポジトリ、オートメモ(ソースネクスト)とNottaの公式ページを、2026年8月23日に実際に開いて書いています。

1|当サイトは、文字起こしの精度を1件も実測していません。体験談は一行も書きません。数字はすべて「〇〇公式の記載によると(URL・確認日)」の形で、誰が測った数字かを明示します。

2|98.9%・98.86%は、それぞれオートメモ公式・Notta公式の自己申告値です。当サイトが計測した数字ではなく、両社とも検証条件を公表しており、その条件も含めて紹介します。

3|確認できなかったことを、先にここへ並べておきます。①Google・Microsoft・AWSが「サービス全体を代表する精度◯%」という単一の数字を公表しているか(開いた公式ドキュメントには見当たらず、3社とも自分の音声で測る手順を公開)②オートメモ・Nottaが「正解率」を何を1件の誤りとして数えているか(検証条件はあるが数え方の詳細は不明)。この記事ではこの2点を断定しません。

「精度◯%」の数え方には業界標準がある|WER・CER・TERとは

WER(Word Error Rate・単語誤り率)とは、機械が出したテキストと人手による正解文を比べ、間違った単語の数を正解文の総単語数で割った数字のことです。Microsoft公式は次のように定義しています。

The industry standard for measuring model accuracy is word error rate (WER). WER counts the number of incorrect words identified during recognition, and divides the sum by the total number of words provided in the human-labeled transcript (N).

Microsoft Azure AI Services「Evaluate word error rate」・2026年8月23日確認

Google公式も同じ考え方を「業界標準の比較方法(industry standard method for comparison)」と説明しています(2026年8月23日確認)。間違いには3種類あり、WERはこの3つを合計して正解文の単語数で割った数字です。

誤りの種類 意味(Microsoft公式) 誤りが多いときに疑うべきこと(Microsoft公式)
挿入(Insertion) 正解文に無い単語が余計に足された 雑音の多い環境、話者のかぶり
削除(Deletion) 正解文にある単語が認識されなかった 音声信号が弱い
置換(Substitution) 正解文の単語が別の単語に置き換わった 専門用語のサンプルが不足している

式にすると WER = (挿入 + 削除 + 置換) ÷ 正解文の総単語数 × 100 です。この式は「正解文より単語が多く出力される」ことがあるため、100%を超えることがあります。Google公式は「非常に低い精度の状況、たとえば大量の新しいテキストが挿入された場合には、WERが100%を超えることがある」(当サイト訳)と注意しています(2026年8月23日確認)。また、WERを測るには人手で作る「正解文(ground truth)」が要ります。

Microsoft公式はさらに、WERの水準の目安まで公表しています(Azure Custom Speechの評価基準として)。

A WER of 5-10% is considered good quality and is ready to use. A WER of 20% is acceptable, but you might want to consider more training. A WER of 30% or more signals poor quality and requires customization and training.

Microsoft Azure AI Services・2026年8月23日確認

WERのほかに、句読点や大文字化・表示整形まで数えるTER(Token Error Rate)という指標もMicrosoft公式は挙げています。

ここでもう1つ重要なのが、比較の前にテキストを「正規化」しているという点です。Google公式は次のように書いています。

Punctuation is removed, and capitalization is ignored when comparing the machine transcription with the human-provided ground-truth transcription.

Google Cloud「Measure and improve speech accuracy」・2026年8月23日確認

つまり、精度◯%という数字は「何を1件の誤りと数え、比較の前にどう正規化したか」という採点ルールの上に成り立っています。採点ルールが違えば、同じ音声・同じ出力でも数字は変わります。さらにGoogle公式は「そもそも、ある音声に対して人間全員が一致する唯一の正解文の書き方というものは存在しない」(当サイト訳)とも注意しています。相づちを書くかどうかすら、決まったルールがありません。

まとめると:「精度◯%」を見たら、それがWERなのかCERなのか、正規化のルールは何か、を先に確認する。その3つが違えば、数字を並べて比べることに意味はありません。

日本語はWERがそのまま使えない|Whisperが「文字誤り率」で測っている理由

CER(Character Error Rate・文字誤り率)とは、単語ではなく1文字ずつを単位にして数えるWERの変種です。日本語のように単語と単語のあいだにスペースを入れない言語では、そもそも「1単語」の切れ目が機械的に定まりません。OpenAIのWhisper論文は、この点を日本語を名指しして説明しています。

we put a space between every letter for the languages that do not use spaces to separate words, namely Chinese, Japanese, Thai, Lao, and Burmese, effectively measuring the character error rate instead. We note that the above is an imperfect solution

OpenAI「Robust Speech Recognition via Large-Scale Weak Supervision」(Whisper論文)Appendix C・2026年8月23日確認

当サイト訳:「単語を空白で区切らない言語(中国語・日本語・タイ語・ラオ語・ビルマ語)については、文字と文字のあいだに空白を入れて処理しており、実質的には文字誤り率を測っていることになる。これは完全な解決策ではないと注記しておく」。つまり、Whisperが公表する日本語の数字は、単語単位のWERではなく実質的に文字単位のCERです。日本語の「精度◯%」を見たら、WERかCERか、それともどちらとも書かれていないのかを、まず確かめる必要があります。英語の数字はWER、日本語の数字はCERという前提を知らずに「日本語も英語も精度◯%」と横並びで比較すると、単位の違う数字を比べてしまうことになります。

WERには、もう1つ見落としやすい弱点があります。Whisper論文は次のように指摘しています。

However, WER, which is based on string edit distance, penalizes all differences between the model’s output and the reference transcript including innocuous differences in transcript style. As a result, systems that output transcripts that would be judged as correct by humans can still have a large WER

同論文・§3.2 Evaluation Metrics・2026年8月23日確認

当サイト訳:「WERは文字列の編集距離にもとづくため、書式のわずかな違いも含めてすべての差異を減点する。そのため、人間が読めば正しいと判断する出力でも、WERは大きな値になりうる」。数字が高いからといって、必ずしも「読んで分かりにくい文字起こし」とは限らないということです。

まとめると:日本語の「精度◯%」を見たら、まずWERかCERかを確認する。書かれていなければ、その数字だけでは他言語や他ツールと単純比較できません。

同じモデル・同じ日本語でも、数字は2倍以上違う|Whisper large-v3の実例

ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。OpenAIは、Whisperの言語別の精度をGitHub公式READMEの図で公表しており、「Whisperの性能は言語によって大きく異なる」(当サイト訳)と説明しています(2026年8月23日確認)。この図から、同じモデル(large-v3)・同じ日本語でも、テストに使うデータセットが違うだけで数字が2倍以上動くことが読み取れます。

テストデータ 日本語CER(large-v3) 参考:英語WER(large-v3)
Common Voice 15 10.3% 9.3%
FLEURS 4.9% 4.1%

出典:OpenAI Whisper 公式GitHub READMEに掲載の図(当サイトがSVG図から数値をテキストとして抽出し、ラベルと数値を座標で照合、さらに画像化して目視でも確認・2026年8月23日確認)。日本語の行はイタリック表記=CER、英語の行は非イタリック=WER。

Whisper large-v3の日本語文字誤り率(CER)を、テストデータセットごとに比較した棒グラフ。横軸にCommon Voice 15とFLEURSの2本の棒。Common Voice 15の棒は10.3%、FLEURSの棒は4.9%で、Common Voice 15の棒はFLEURSの棒のおよそ2.1倍の高さ。グラフ下部に「同じモデル・同じ言語でも、テストに使った音声データが違うだけでこの差になる」と注記。出典:OpenAI Whisper公式GitHub README掲載の図(当サイトが数値を抽出)・2026年8月23日確認。当サイト作成の図。
図2|同じWhisper large-v3・同じ日本語でも、テストデータで数字は2倍以上違う(当サイト作成・出典:OpenAI Whisper公式README/2026年8月23日確認)

なぜここまで違うのか。Common Voice 15とFLEURSは、それぞれ別の音声を集めたテストデータです。「どんな音声を集めたテストデータか」によって数字が大きく動くことを、この2つの数字はそのまま示しています。前の章で紹介した「正規化のかけ方だけでWERが最大50%下がる」というOpenAI自身の指摘も、データセットごとに正解文の書き方の癖が違うために起きるものです(下の逐語のとおり)。

For several datasets, we observe WER drops of up to 50 percent usually due to a quirk such as a dataset’s reference transcripts seperating contractions from words

OpenAI Whisper論文・§4.4 Text Normalization・2026年8月23日確認(原文ママ)

モデルカードでOpenAI自身が、言語間で性能は不均一で、学習データの少ない言語では精度が低くなり、訛り・方言によっても性能に差が出ると認めています(2026年8月23日確認)。同モデルカードは、数字には表れない誤り方があることも明記しています。

the predictions may include texts that are not actually spoken in the audio input (i.e. hallucination)

同上・2026年8月23日確認

音声に無い文がそのまま出力に混ざる「ハルシネーション」は、精度◯%という数字には出てきません。だからこそOpenAI自身が「導入前に、その用途・領域で自らしっかり評価することを強く推奨する」(当サイト訳)と書いています(2026年8月23日確認)。

同じ会社の同じ技術でも条件で数字が動く現象は、Microsoftのドキュメントにも出てきます。コールセンター(8kHzの電話音声・圧縮あり)と音声アシスタント(16kHz)という2つのシナリオを比べ、前者は「Medium」、後者は「High」という品質水準になると公式が表で示しています。

まとめると:「Whisperの精度は◯%」「◯社の精度は◯%」という一行だけの情報は、比較の材料としては足りません。同じ会社・同じモデルでも、何のデータでどう測ったかによって、数字は2倍前後動きます。

98.9%と98.86%、条件をそろえると何が起きるか|オートメモとNottaの検証条件

ここまでの話を、実在する2つの数字にあてはめてみます。オートメモ(ソースネクスト)公式は、正解率98.9%を検証条件つきで公表しています。

OpenAI社の音声認識モデルを採用し、文字起こし正解率 98.9% を実現しています。

オートメモ公式「高精度のヒミツ」・2026年8月23日確認

その検証条件は、同じページに次のように書かれています。

検証条件は以下のとおりです。 会議室の環境音:約40dB 話者と端末の距離:約50cm 参加者:5名(うち2名はリモート参加/スピーカー越し) 録音方法:「オートメモ」で1回の会話を録音し、文字起こしを実施

同上(ソースネクスト調べ・2023年8月)・2026年8月23日確認

一方、Notta公式は98.86%という数字を、こちらも条件つきで公表しています。

フォーマルな会議など、発言が明瞭で整然と行われる場面では、認識制度は98.86%以上です。※収音が困難な環境では、認識精度が低下する場合があります。

Notta公式サイト(日本語版)・2026年8月23日確認(「認識制度」は原文ママ)

Notta公式の別ページには、さらに詳しい検証条件があります:「※当社調べ。静かなの会議室(環境音が約40db)で、話者と外部マイクとの距離が1mで4名の会話(発言がかぶらないようにする)をテキスト化結果。実際の精度は話し方や音環境により大きく変わります」(Notta公式「音声認識精度を高めるには」・「当社」はNotta社を指します・「静かなの」は原文ママ・2026年8月23日確認)。

条件 オートメモ(98.9%) Notta(98.86%)
環境音 約40dB 約40dB
マイクとの距離 端末から約50cm 外部マイクから1m
参加人数 5名(うち2名はリモート・スピーカー越し) 4名
発言のかぶり 記載なし かぶらないよう明記
調査主体・時期 ソースネクスト調べ・2023年8月 Notta調べ(時期の記載なし)
オートメモとNottaの精度検証条件を左右に並べた対比図。左列オートメモ98.9%=環境音約40dB・端末との距離約50cm・参加者5名(うち2名リモート)・ソースネクスト調べ2023年8月。右列Notta98.86%=環境音約40dB・外部マイクとの距離1m・参加者4名・発言のかぶりなし・Notta調べ。最下段に共通の注記として、実際の精度は話し方や音の環境で変わる(両社公式がそれぞれ明記)。図の一番下に「0.04ポイントの差を比べても意味がありません」という一文。出典:オートメモ公式「高精度のヒミツ」/Notta公式サイト・「音声認識精度を高めるには」・2026年8月23日確認。当サイト作成の図。
図3|98.9%と98.86%、条件をそろえると比べられない数字だと分かる(当サイト作成・出典:オートメモ公式/Notta公式/2026年8月23日確認)

条件を並べると、参加人数・マイクとの距離・リモート参加の有無が違うことが分かります。条件が違う以上、この0.04ポイントの差を根拠に優劣を結論づけることはできません。むしろ注目すべきなのは、両社とも自分から、実際の精度は話し方や音の環境で変わると書いている点です(オートメモ「話し方や周囲の音によって精度は変わりますが」/Notta「実際の精度は話し方や音環境により大きく変わります」・2026年8月23日確認)。これは弱みの告白ではなく、条件を明かしている分だけ誠実な表示だと当サイトは考えます。なお、オートメモ公式ページには他社との比較表も掲載されていますが、この表は画像として置かれており代替テキスト(alt)が空のため、この記事では数値を引用しません。

まとめると:検証条件を公表している2社の数字であっても、条件が一致していなければ比べられません。比較記事の数字を見るときは、条件の欄がそもそもあるかどうかを、まず確認してください。

精度を左右する条件|録音環境・マイク距離・ファイル形式

精度の数字は、サービス側の性能だけでなく、録音する側の条件によっても動きます。Google公式のベストプラクティスには、次のような注意が並んでいます。

Using mp3, mp4, m4a, mu-law, a-law or other lossy codecs during recording or transmission may reduce accuracy.

Google Cloud「Best practices」・2026年8月23日確認

条件 公式の推奨・注意 出典
サンプリングレート 16,000Hz以上を推奨。低いものを後から上げ直しても効果はない Google公式
ファイル形式 mp3・m4a等の非可逆圧縮は精度を下げうる。ロスレス推奨 Google公式
マイクとの距離 できるだけ話者の近くに。雑音がある環境では特に重要 Google公式
同時発話 複数人が同時・音量差が大きいと、雑音として無視されうる Google公式
事前のノイズ除去 録音前にかけると、かえって精度が下がることがある Google公式
推奨フォーマット FLACまたはWAV(PCM 16bit)推奨。電話音声は8,000Hzが一般的 AWS公式
Bluetoothイヤホン 一部は8kHzしか対応せず、精度に影響する Notta公式

とくに見落としやすいのが「複数人の同時発話」です。Google公式は次のように説明しています。

Multiple people talking at the same time, or at different volumes may be interpreted as background noise and ignored.

Google Cloud「Best practices」・2026年8月23日確認

これは「誰が話したか」の振り分けの話ではなく、発話そのものが雑音として認識から抜け落ちるという、認識精度そのものの条件です。専門用語についても、Notta公式は「専門用語や固有名詞が含まれる文章の文字起こしは正確に文字に起こされないことがあります」と注意しています(2026年8月23日確認)。

まとめると:同じサービスでも、録音環境・マイクの位置・ファイル形式によって精度は動きます。比較記事の数字が良くても、自分の使い方の条件が違えば、その数字どおりにはなりません。

数字を自分で押し上げる方法|単語登録・カスタム語彙

専門用語や固有名詞の誤変換は、多くのサービスが用意している「語彙の追加」機能でいくらか改善できます。「精度◯%」が固定値ではなく使い方次第で動く数字であることを示す一例です。

サービス 機能 公式の説明・条件
Google 語句ヒント 特定の語句を語彙に追加し、その語の精度を高められる。語彙にない固有名詞は認識されない
Microsoft フレーズリスト 事前に渡す語のリスト(上限500)で認識を補助する
AWS カスタム語彙 ブランド名・頭字語・固有名詞など、うまく認識されない語向け
Notta 単語登録 日本語の文字起こしのみ対応。フリープラン3個・プレミアム200個・ビジネス1,000個まで

AWS公式は、この種の機能を次のように説明しています。

Use custom vocabularies to improve transcription accuracy for one or more specific words. These are generally domain-specific terms, such as brand names and acronyms, proper nouns, and words that Amazon Transcribe isn’t rendering correctly.

AWS Transcribe「Custom vocabularies」・2026年8月23日確認

まとめると:業界名・製品名・社名など、自分が使う語がよく誤変換されるなら、語彙登録機能があるかを確認する価値があります。同じエンジンでも、辞書に語を足すだけで、その語に限っては精度が上がります。

Google・Microsoft・AWSの「代表値」は確認できませんでした

比較記事の中には、クラウド大手3社の音声認識について「精度◯%」という数字を挙げているものもあります。ただし当サイトが今回開いた公式ドキュメント(Microsoft・Google・AWSの音声精度に関するページ、計6ページ)には、サービス全体を代表する単一の精度◯%という数字は見当たりませんでした。代わりに3社とも公表していたのは、読者が自分の音声で精度を測るための手順です。Google公式にいたっては、統計的に意味のある測定には最低30分、できれば30分〜3時間の音声を推奨するという具体的な目安まで示しています(Google Cloud「Measure and improve speech accuracy」・2026年8月23日確認)。

ここは「公表していない」と断定はしません。当サイトが開いた範囲でのことであり、他のページに記載がある可能性は残ります。比較記事でこの3社に「精度◯%」という数字が当てられているのを見たときは、その数字の出どころが本当に公式なのかを、まず確認することをおすすめします。

用途別の答え|困りごとから選ぶ3つの行き先

今の悩みに合わせて、次の一歩を選んでください。

今の状況 次にすること
①今使っているツールの精度が低くて困っている 対応言語の設定と録音環境を見直す。手順はAIで議事録を作る手順
②専用の録音機を買うか、無料アプリのままにするか迷っている 精度だけでなく価格で判断するのが近道です。AIボイスレコーダーは買う価値ある?
③複数の録音機・比較記事の数字を見比べて機種を選びたい 数字だけで選ばず検証条件も確認を。PLAUD 4機種の違いを公式データで比較

よくある質問

Q. WERとCERは何が違いますか?

A. WER(単語誤り率)は単語単位、CER(文字誤り率)は1文字単位で、機械の出力と正解文の違いを数える指標です。Whisperの論文は、文字ごとに空白を入れて実質的にCER(文字誤り率)を測っていると明記しています。オートメモ・Nottaの「正解率」の数え方は、当サイトが確認したページには書かれていませんでした(本文の根拠ブロック参照)。

Q. 「精度98%」という数字は、どのサービスでも同じ意味ですか?

A. 同じとは限りません。WERかCERか、正規化のルール、テストに使った音源・話者数・環境音のレベルによって条件が違います。この記事のオートメモとNottaの例のように、条件を比べると単純に並べられない数字になることがあります。

Q. 同じ日本語なのに、なぜ精度の数字が記事によって全然違うのですか?

A. テストに使った音声データが違うためです。Whisper large-v3の日本語CERは、Common Voice 15で10.3%、FLEURSで4.9%と、同じモデル・同じ言語でも2倍以上違います。どのデータで測ったかが書かれていない数字は、比較材料になりません。

Q. 自分の環境でどれくらいの精度が出るか、確かめる方法はありますか?

A. Google公式は、統計的に意味のある結果を得るには最低30分の音声で測ることを推奨しています。当サイトはこの測定作業自体は行っていません。まずは自分がよく使う環境・話し方の録音で、実際の文字起こし結果を目視で確認することが現実的です。

Q. 文字起こしの後、AIが作る要約の精度も同じように確認すればいいですか?

A. いいえ、別の論点です。文字起こしは音声をテキストに変換する精度の話ですが、要約はそのテキストから何を残し何を落とすかという別の判断が入ります。要約の精度についてはChatGPTの要約はどこまで信じられるかで扱っています。

まとめ

  • 「精度◯%」は、何を1件の誤りと数え、どう正規化したかという採点ルールの上に成り立つ数字です。まずWER・CER・TERのどれかを確認してください。
  • 同じモデル・同じ日本語でも、テストデータが違うだけで数字は2倍以上動きます。Whisper large-v3の日本語CERは、Common Voice 15で10.3%、FLEURSで4.9%です(OpenAI公式README・2026年8月23日確認)。
  • オートメモの98.9%とNottaの98.86%は、どちらも検証条件つきの公式値ですが、条件が違うため0.04ポイント差を比べる意味はありません。両社とも、実際の精度は話し方や音の環境で変わると自分で明記しています。
  • 精度は録音環境・マイク距離・ファイル形式でも動きます。単語登録やカスタム語彙を使えば、専門用語の精度は自分で上げられます。
  • 当サイトは文字起こしの精度を実測していません。この記事の数字はすべて、各社・各論文の公表値です。

次の行動は1つだけです。次に比較記事や公式ページを開いたら、「精度◯%」の隣に測定条件(音源・話者数・環境音)が書かれているかを探してください。書かれていなければ、その数字はそのまま比較には使えないと考えてください。

出典

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