事務職のChatGPT活用10パターン|任せる範囲と確認する箇所

事務職のChatGPT活用10パターンと任せる範囲を解説する記事のアイキャッチ画像 仕事でAI活用

この記事で分かること

  • 事務職の定型業務のうち、ChatGPTに任せられる10パターンと、そう選んだ理由
  • 業務ごとの「任せてよい範囲」と「人が必ず確認する箇所」の線引き
  • 任せてはいけない業務を見分ける5つの条件

事務職がChatGPTに任せられるのは、言葉と形式の下書きまでです。文書・メール・議事録・報告書のたたき台づくりや、ばらばらの情報を表に整える作業は渡せます。一方で、金額の確定・法的な責任を伴う判断・原本との突合・個人の評価は人に残ります。この記事は、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に掲載された事務職の「主なタスク」から10パターンを選び、業務ごとに任せる範囲と確認する箇所を分けて示します。

なお、日本で生成AIサービスを「使っている(過去に使ったことがある)」と回答した個人の割合は58.8%です(2025年度個人向け調査。前年の2024年度調査は26.7%、2023年度調査は9.1%。出典:総務省『令和8年版 情報通信白書』第Ⅰ部第1章第1節「個人におけるAI利用の現状」/2026年8月10日確認)。日本の一般国民1,236人(10代から60代まで各年代206人)へのインターネット調査で、1年で倍以上に増えました。ただし白書は、2025年度調査から15歳〜19歳を新たに調査対象へ加えたことを注記しており、20歳以上に限った割合は52.2%です。いずれにしても、使ったことがある人が半数を超えた段階に入っています。

結論の1枚図。事務職がChatGPTに任せられるのは、言葉と形式の下書きまで。ChatGPTに渡せるのは、ビジネス文書・メール・議事録・報告書のたたき台づくり、ばらばらの情報を表に整える、分類軸や命名規則の案づくり、規定・手順書の構成案。人に残るのは、金額の確定、法的な責任を伴う判断、原本との突合、個人の評価。業務ごとに「任せてよい範囲」と「人が必ず確認する箇所」を必ず両方決め、確認箇所が決まらない業務は渡さない。
渡せるものと、人に残るものを対で見る(厚生労働省 job tag の事務6職種の「主なタスク」より・2026年8月5日確認)
  1. なぜこの10パターンなのか|厚生労働省の職業定義から選んだ
    1. 採用した3つの条件
    2. この記事で扱わない業務と、その理由
  2. 事務職の定型業務10パターン|任せる範囲と、人が確認する箇所
    1. 1. ビジネス文書(案内・依頼・お礼)の下書き
    2. 2. 社内外へのメール返信の下書き
    3. 3. 問い合わせへの回答文の作成
    4. 4. 会議メモから議事録への整形
    5. 5. 日報・報告書の下書き
    6. 6. 書類・データの不備の洗い出し(下読み)
    7. 7. 文書の分類・整理・保管ルールの案づくり
    8. 8. ばらばらの情報を表形式に整える
    9. 9. 社内規定・手順書・マニュアルの下書きと改定案
    10. 10. 日程調整・開催案内文の作成
  3. まず1つ選ぶなら|始めやすい順
  4. 自分の職場の定型業務を書き出す|週次の棚卸しシート
  5. 任せてはいけない業務の見分け方|5つの条件
  6. 会社で使う前に確認すること
  7. 思ったとおりの下書きが出ないとき
  8. 「◯分が◯分になる」と書けない理由
  9. ChatGPTを使わなくてよい場合/この記事が不要な人
  10. よくある質問
    1. 事務職の仕事は、ChatGPTでどこまで代われますか?
    2. 会社の資料をChatGPTに貼り付けても大丈夫ですか?
    3. 無料版のChatGPTでも事務の仕事に使えますか?
    4. ChatGPTが出した文章を、そのまま送っても問題ありませんか?
    5. 上司や同僚に言わずに使ってもいいですか?
  11. まとめ
    1. この記事で参照した公式ページ

なぜこの10パターンなのか|厚生労働省の職業定義から選んだ

job tag(職業情報提供サイト)とは、厚生労働省が職業ごとの仕事の内容や主なタスクを公開しているサイトです。この記事では、一般事務・データ入力・営業事務・経理事務・人事事務・総務事務の6職種のページに掲載された「主なタスク」を出発点にしました(2026年8月5日確認)。

公式の記述によれば、一般事務は「主に規則、業務手順書、社内手続などによって定められた定型的な事務作業に従事する」職業で、仕事は「書類を作る、数量や金額を集計・計算する、社内で使用する書類等の点検・管理を行うことが中心となる」とされています(出典:job tag 一般事務/2026年8月5日確認)。「定型」と「書類」が公式の定義に入っているという点が、この記事の出発点です。

採用した3つの条件

掲載された主なタスクのうち、次の3つをすべて満たすものだけを採用しました。

# 条件 この条件を置いた理由
1 複数の事務職種にまたがって現れるタスクであること 特定業界の専門事務にしか当てはまらない業務を外すため
2 言葉・書式・分類を扱うタスクであること ChatGPTが扱うのは言語であるため
3 金額の確定・法的責任・本人確認を最終的に担わないタスクであること 誤りが直接の損害や法的責任につながる業務を外すため

この記事で扱わない業務と、その理由

「できること」だけを並べると、線引きが見えません。この記事で扱わないと決めた業務を先に出します。ChatGPTに技術的にできないという意味ではなく、本記事では人が担うものとして扱うという意味です。

扱わない業務(job tagの記載) 本記事で扱わない理由
コピー機・FAXなどのオフィス機器の操作、郵便物の発送や受取、案内やお茶出し 物理的な作業のため
電話応対 リアルタイムの音声対応のため
給与計算、現金出納・小口現金の管理、給与や賞与の算出 金額の確定を伴い、誤りが直接の損害になるため
決算・財務諸表の作成、法人税や地方税などの申告 法的責任を伴い、有資格者の領域にかかわるため
帳簿への記録の突合、棚卸 原本・現物との突合であり、手元の文字情報だけでは成立しないため
選考、採用試験や面接、従業員の査定、懲戒事案への対応 個人の評価・処遇の決定であり、個人情報の扱いも重いため
官公庁への届出・申請 提出責任が事業者にあり、様式や要件は所管庁の一次情報で確認すべきため

出典はいずれも job tag の各職業ページです(経理事務人事事務総務事務/2026年8月5日確認)。

事務職の定型業務10パターン|任せる範囲と、人が確認する箇所

1つの業務を「任せてよい範囲」と「人が必ず確認する箇所」の2つに割る考え方の図。ビジネス文書の下書きなら、案内・依頼・お礼の文面のたたき台を任せ、宛先・日付・金額・数量・社名の表記を人が確認する。会議メモから議事録への整形なら、メモの並べ替えと決定事項・宿題の切り分けを任せ、発言者の対応・決定事項の内容・期限を人が確認する。ばらばらの情報を表形式に整えるなら、記述の列分け・整列を任せ、元の情報が欠けていないか・値が入れ替わっていないかを人が確認する。
確認箇所が空欄になる業務は10パターンに入れていない(本文の一覧表から3例を抜き出したもの)

ここが記事の主柱です。各業務について、任せてよい範囲と、人が必ず確認する箇所を必ず両方書いています。確認箇所が空欄になる業務は、この10パターンに入れていません。職種を問わない指示文の一般形が必要な場合は、職種を問わず使えるChatGPTのプロンプトを10種類に整理した記事もあわせてご覧ください。

# 業務 任せてよい範囲 人が必ず確認する箇所
1 ビジネス文書の下書き 案内・依頼・お礼の文面のたたき台 宛先・日付・金額・数量・社名の表記
2 メール返信の下書き 返信の骨組みと言い回しの候補 相手が聞いている論点に答えているか
3 問い合わせ回答文の作成 回答文の構成と表現の整え 回答の中身が社内の正しい情報と一致しているか
4 会議メモから議事録への整形 メモの並べ替え、決定事項と宿題の切り分け 発言者の対応、決定事項の内容、期限
5 日報・報告書の下書き 箇条書きから文章への変換 数字と固有名詞、書かれていない出来事の混入
6 書類・データの不備の下読み 抜け・表記ゆれ・矛盾の候補出し 指摘が本当に不備か、指摘漏れがないか
7 文書の分類・保管ルール案づくり 分類軸と命名規則の案 社内の既存ルール・保存年限との整合
8 表形式への整形 ばらばらの記述の列分け・整列 元の情報が欠けていないか、値が入れ替わっていないか
9 規定・手順書の下書きと改定案 構成案と文章のたたき台 実際の運用と一致しているか、決裁を経ているか
10 日程調整・開催案内文の作成 案内文の文面と候補日の整理 日時・場所・出席者・締切

以下の指示文は、すべて筆者が作成した作例です。角かっこの中をご自身の業務に置き換えて使ってください。実際にどのような文章が返ってくるかは、渡す情報によって変わります。

1. ビジネス文書(案内・依頼・お礼)の下書き

job tag の一般事務の主なタスク「ビジネス文書を作成する」に対応します。白紙から書き始める工程が無くなり、下書きを直す作業に変わります。

[社内向けの案内文]を作ってください。目的は[ ]、宛先は[ ]、伝える事実は[ ]の3点です。丁寧だが簡潔な文体でお願いします。日付と金額は空欄にして、私が埋められるように[ ]と書いてください。

2. 社内外へのメール返信の下書き

一般事務「社内・社外に対して電話・文書・メールで連絡をする」、営業事務「メールをチェックし、問い合わせ確認事項に対し返信する」に対応します。相手が聞いている論点に答えているかは、必ず自分で読み直してください。

次のメールへの返信案を作ってください。こちらの立場は[ ]、伝えたい結論は[ ]です。相手の質問を箇条書きで先に整理し、それぞれに1文で答える形にしてください。(本文は社名・氏名を伏せて貼り付ける)

3. 問い合わせへの回答文の作成

営業事務「顧客の問い合わせに対応する」、総務事務「社員の問い合わせに対応する」に対応します。回答の中身は自分で用意し、ChatGPTには文章の形を整えてもらうという分担にすると、事実の誤りが入りにくくなります。

次の内容を、社外向けの回答文にしてください。書いていない情報を足さないでください。不足している情報があれば、文章にせず「確認が必要な点」として最後に列挙してください。内容:[ ]

4. 会議メモから議事録への整形

job tag の総務事務の「仕事の内容」に「議事録の作成」が挙げられています。ここで扱うのは手元のメモを議事録の形に整える工程までで、録音や文字起こしの手順は扱いません。

次の会議メモを議事録に整形してください。見出しは「決定事項」「保留事項」「次回までの宿題(担当と期限)」の3つだけにしてください。メモに書かれていないことは書かないでください。不明な点は「メモに記載なし」と書いてください。

5. 日報・報告書の下書き

営業事務「日報を作成する」に対応します。箇条書きの実績を文章にする工程です。数字と固有名詞は、変換後に元のメモと突き合わせてください。

次の箇条書きを日報の文章にしてください。1件につき2文以内。数字は書き換えず、そのまま使ってください。推測や感想を足さないでください。箇条書き:[ ]

6. 書類・データの不備の洗い出し(下読み)

一般事務「書類やデータの内容をチェックする」、データ入力「他のスタッフが入力したデータが間違っていないか、確認する(クロスチェック)」に対応します。ここは最終確認ではなく下読みです。指摘が出なかったことは、不備が無いことの証明にはなりません。

次の文章について、①表記ゆれ ②数字の不一致 ③文中の矛盾 の3点だけを指摘してください。修正案は書かず、該当箇所と理由だけを一覧にしてください。文章:[ ]

7. 文書の分類・整理・保管ルールの案づくり

一般事務「書類やデータを整理し、保管する」、総務事務「文書の管理をする」に対応します。job tag の総務事務の「仕事の内容」にも「文書の分類・整理・保管」が明記されています。保存年限など社内で決まっている条件は、必ず自分で当てはめてください。

次の書類の種類を分類する案を3通り作ってください。それぞれ、分類軸・フォルダ名の付け方・ファイル名の付け方をセットで示してください。どれが良いかの結論は書かず、3案の違いだけを比べられる形にしてください。書類の種類:[ ]

8. ばらばらの情報を表形式に整える

一般事務「データ入力、図の作成など、パソコンでの資料を作成する」、データ入力「データを要求された通りの形式にとりまとめ、指定の場所に保存する」に対応します。表に整えたあとの計算式づくりは、ChatGPTにExcelの関数を作ってもらう手順を解説した記事で扱っています。

次の文章を表にしてください。列は[ ][ ][ ]の3つです。元の文章に無い値は空欄のままにし、推測で埋めないでください。該当する記述が無い場合は「記載なし」と書いてください。文章:[ ]

9. 社内規定・手順書・マニュアルの下書きと改定案

総務事務「社内規定の策定と改定をする」に対応します。一般事務の定義にも「業務手順書」が登場します。下書きが完成しても、実際の運用との一致確認と社内の決裁は残ります。

次の作業手順を、手順書の形に整えてください。1手順1行、番号つき。各手順に「誰が」を必ず入れてください。私の説明に抜けがある箇所は、手順にせず「確認が必要な点」として末尾にまとめてください。手順:[ ]

10. 日程調整・開催案内文の作成

一般事務「スケジュール管理や出張の手配などをする」「各種委員会開催の調整を行う」、総務事務「役員会、株主総会の手配・準備、全社会議の運営をする」に対応します。日時・場所・出席者・締切は、送信前に必ず自分の目で確認してください。

次の候補日で、出席依頼のメール文を作ってください。候補日は箇条書きで並べ、回答の締切を明記してください。私が渡した日時をそのまま使い、書き換えないでください。候補日:[ ]

まず1つ選ぶなら|始めやすい順

10個を同時に始める必要はありません。ここでは効果が大きい順ではなく、始めやすい順に並べ替えました。失敗しても影響が小さい業務から試すのが安全です。

業務 必要な準備 失敗しても影響が小さい理由
1 会議メモから議事録への整形 自分が取ったメモ 公開前に必ず自分が読み直す前提の文書のため
2 日報・報告書の下書き 箇条書きの実績メモ 提出前に自分で読み直す文書のため
3 ビジネス文書の下書き 目的・宛先・伝える事実 下書き段階で止められるため
4 ばらばらの情報を表形式に整える 元の文章 元の文章と見比べればすぐ検算できるため
5 文書の分類・保管ルール案づくり 書類の種類の一覧 案の段階で採用しなければ何も起きないため
6 書類・データの不備の下読み 確認したい文章 自分の確認の前段として使うため
7 メール返信の下書き 受信メール(社名・氏名を伏せる) 送信前に自分が全文を読むため
8 日程調整・開催案内文の作成 候補日と出席者 送信前に日時を確認できるため
9 問い合わせ回答文の作成 回答の中身(自分で用意) 社外に出るため、確認の負担がやや大きい
10 規定・手順書の下書きと改定案 実際の運用の情報 決裁が必要で、影響範囲が広い

今日試すなら1番だけで十分です。複数を同時に始めると、うまくいかなかったときに原因が分かりません。

自分の職場の定型業務を書き出す|週次の棚卸しシート

棚卸しシートとは、自分が毎週繰り返している事務作業を書き出し、10パターンのどれに当たるかを判定するための表です。1行目に記入例を入れてあります。紙でもメモアプリでも構いません。

業務名 週に何回 1回の手順数 10パターンのどれか 任せる範囲 自分が確認する箇所
(例)定例会の議事録 1 4 4(議事録への整形) メモの並べ替えと切り分け 決定事項と期限

この表に所要時間の欄はあえて置いていません。理由は後述します。書き出したあと、「自分が確認する箇所」が書けない行は、いったん保留にしてください。確認の仕方が決まっていない業務を渡すと、出てきた下書きを検証できないまま使うことになります。

任せてはいけない業務の見分け方|5つの条件

止めるべき5条件のチェックリスト図。①社外秘・個人情報を含む(伏せられないなら渡さない)②金額・数量の正確性が結果を左右する(計算結果をそのまま使わない)③最終的な責任が自分または会社にある(届出・申告・決裁など)④原本・現物との突合が必要⑤社内ルールで生成AIの利用が制限されている。1つでも当てはまる場合は、下書きにも使わないか、当てはまる情報を伏せて使う。
1つでも当てはまったら、いったん止める(本文の5条件と同じ内容)

10パターンに当てはまりそうでも、次の5つのうち1つでも当てはまるなら、いったん止めてください。

止めるべき5条件

  • ①社外秘・個人情報を含む。伏せられないなら渡さない。
  • ②金額・数量の正確性が結果を左右する。計算結果をそのまま使わない。
  • ③最終的な責任が自分または会社にある。届出・申告・決裁など。
  • ④原本・現物との突合が必要。手元の文字情報だけでは成立しない。
  • ⑤社内ルールで生成AIの利用が制限されている。ルールが最優先。

1つでも当てはまる場合は、下書きにも使わないか、当てはまる情報を伏せて使うのどちらかにしてください。

③に関連して、ChatGPTの提供元であるOpenAIは、「モデルが正しくない回答を自信を持って生成する」ハルシネーションという現象があり、「正確性が100%に達することは決してない」「ChatGPT でもハルシネーションは発生します」と説明しています(出典:OpenAI公式/2026年8月2日確認)。自信のある文体で返ってくることと、内容が正しいことは別です。

会社で使う前に確認すること

最初に確認するのは、技術ではなく勤務先のルールです。生成AIの業務利用の可否、使ってよいサービス、入力してよい情報の範囲が決まっている場合があります。ルールがあるなら、そちらが本記事より優先します。

入力してよい情報の線引きは、AIに入力してはいけない情報を7種類に分けて解説した記事で扱っています。すでに入力してしまった場合の対処は、ChatGPTに個人情報を入力してしまったときの対処を解説した記事をご覧ください。

なお、個人情報保護委員会は2023年6月2日に生成AIサービスの利用に関する注意喚起を公表しています(出典:個人情報保護委員会/2026年8月5日確認)。この記事では注意喚起の内容の要約は行いません。原文をご確認ください。

無料版でどこまでできるかについては、ChatGPTの無料版と有料版の違いを3か所に絞って比較した記事で扱っています。本記事ではプランごとの可否や上限は扱いません。

思ったとおりの下書きが出ないとき

指示文の直し方の図。OpenAI公式のベストプラクティスは、明確かつ具体的に、反復的な改善、別のトーンのリクエスト(トーンは説明的な形容詞で指定する)の3項目。事務の指示文ではそこに、出力の形式を指定する、書いてほしくないことを書く、足りない情報は文章にせず「確認が必要な点」として列挙させる、トーンは形容詞で指定する、の4項目を書き足す。
公式の3項目に、事務の指示文で4つ書き足す(OpenAI公式ヘルプより・2026年8月2日確認)

OpenAIが公式に挙げているプロンプトのベストプラクティスは3項目だけです。「明確かつ具体的に」「反復的な改善」「別のトーンのリクエスト(トーンは説明的な形容詞で指定する)」(出典:OpenAI公式ヘルプ/2026年8月2日確認)。また、「別の人間に依頼を送るようにやり取りすると、モデルは最もよく機能することがよくあります」、複雑な依頼はプロンプトを分割する、とも説明されています(出典:OpenAI公式ヘルプ/同日確認)。

事務の指示文で書き足すとよいこと

  • 出力の形式を指定する(箇条書き・表・1件2文以内など)
  • 書いてほしくないことを書く(推測を足さない、数字を書き換えない)
  • 足りない情報は文章にせず「確認が必要な点」として列挙させる
  • トーンは形容詞で指定する(丁寧・簡潔・事務的など)

症状別の直し方は、ChatGPTが思い通りに答えてくれないときの直し方を7つに整理した記事にまとめています。本記事では指示文の一般論は扱いません。

「◯分が◯分になる」と書けない理由

この記事には、当サイトが主張する時間の数値が1つも出てきません。理由は単純で、当サイトは事務職の実務でChatGPTを使った作業時間の実測記録を持っていないからです。持っていない数字を書くことは、この記事の方針で禁じています。

検索すると「2倍」「3倍速」「◯%削減」といった数字が並びます。数字を掲げる記事を実際に開いて確認したところ、出典が示されていないものと、大企業の全社試算を引いているものがありました。後者は事務職1人の1つの作業についての数字ではありません。どちらも、あなたの職場の作業時間がどう変わるかを示す根拠にはなりません。

よく見る書き方 読むときに確かめたいこと
「◯%削減」「2倍」 出典が示されているか
「◯万時間削減」 それは全社の合計か、1人の1作業か
「◯分が◯分に」 元の作業のやり方が自分と同じか
「生成AIの利用率は◯%」 利用率は普及の指標であり、時短の指標ではない

代わりに、この記事では検証できる言い方だけを使っています。白紙から書き始める工程が無くなる。下書きを直す作業に変わる。やり直しの回数が変わる。どれも、あなたが自分で数えられることです。どれだけ短くなるかは元の業務のやり方によって変わります。まず1つ試して、ご自身で比べてください。

ChatGPTを使わなくてよい場合/この記事が不要な人

使わなくてよい場合

  • 定型のひな形がすでにある。差し込むだけで済む文書は、ひな形のほうが速く、表記も安定します。
  • 1年に1回しかない作業。指示文を整える手間のほうが大きくなります。
  • そのまま提出する必要がある文書。確認の工程を省けないなら、渡す意味が薄くなります。
  • 伏せるべき情報が多すぎて、伏せると意味が通らない。渡さない判断が正解です。

この記事が不要な人

  • 勤務先で生成AIの業務利用が禁止されている人。社内ルールが先です。
  • すでに毎日の業務で使い分けができている人。この記事は最初の1つを決めるための記事です。
  • 営業・企画など、事務以外の職種の使い方を探している人。本記事は事務職の定型業務に絞っています。
  • コピーしてそのまま使えるプロンプト例文集がほしい人。本記事は業務ごとの線引きが中心です。

よくある質問

事務職の仕事は、ChatGPTでどこまで代われますか?

この記事の結論としては、言葉と形式の下書きまでです。文書・メール・議事録・報告書のたたき台づくりや、情報を表に整える作業は渡せます。一方で、金額の確定、法的責任を伴う判断、原本との突合、個人の評価は人に残ります。将来どうなるかについては、この記事では予測しません。

会社の資料をChatGPTに貼り付けても大丈夫ですか?

まず勤務先のルールを確認してください。生成AIの業務利用の可否や、入力してよい情報の範囲が決まっている場合があります。入力してよい情報の線引きはAIに入力してはいけない情報を7種類に分けて解説した記事で扱っています。

無料版のChatGPTでも事務の仕事に使えますか?

プランごとの機能差については、本記事では扱いません。ChatGPTの無料版と有料版の違いを3か所に絞って比較した記事をご覧ください。

ChatGPTが出した文章を、そのまま送っても問題ありませんか?

必ず人が確認してください。OpenAIは、モデルが正しくない回答を自信を持って生成することがあり、「正確性が100%に達することは決してない」と説明しています(出典:OpenAI公式/2026年8月2日確認)。本記事の表にある「人が必ず確認する箇所」を見てから送ってください。

上司や同僚に言わずに使ってもいいですか?

勤務先のルール次第です。生成AIの利用について申告や届出を求めている職場もあります。ルールが見当たらない場合は、使う前に確認しておくほうが安全です。

まとめ

  • 事務職がChatGPTに任せられるのは言葉と形式の下書きまでで、金額の確定・法的責任・原本との突合・個人の評価は人に残る。
  • この記事の10パターンは、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)に掲載された事務6職種の「主なタスク」から、3つの条件で選んだものである(2026年8月5日確認)。
  • 業務ごとに「任せてよい範囲」と「人が必ず確認する箇所」を必ず両方決める。確認箇所が決まらない業務は渡さない。
  • 社外秘・金額の正確性・最終責任・原本との突合・社内ルールの5条件のうち1つでも当てはまるなら、下書きにも使わないか、情報を伏せて使う。
  • 作業時間がどれだけ短くなるかは元のやり方によって変わるため、この記事では時間の数値を書いていない。1つ試して自分で比べるのが確実である。

今日やることは1つです。「まず1つ選ぶなら」の表の1番、会議メモから議事録への整形を、次の会議で試してください。職種を問わない指示文の型は、職種を問わず使えるChatGPTのプロンプトを10種類に整理した記事にまとめています。

この記事で参照した公式ページ

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